耐震補強工事と一言で言っても、調べれば調べるほど、専門的な知識が必要になります。
ここでは一般的によく使われる耐震補強工事に関する用語をまとめました。
- 【簡易耐震診断法】 かんいたいしんしんだんほう
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住宅の強度を調べる方法の1つ。専門家などが建物を目視調査と間取りから診断する「一般調査(診断)」と、より詳しくプラン・間口の大きさや仕上げまで家屋調査を行って診断する「精密調査(診断)」とがある。
簡易耐震診断は国土交通省の「木造住宅の耐震精密診断と補強方法」に基づいた在来工法(木造軸組工法)の木造住宅専用の耐震診断であるため、木質系プレハブ工法や2×4工法の住宅には適用できなかった。しかし2004年(平成16年)の改正で、それまで対象外だった建物も診断できるようになった。
さらに「一般調査(診断)」「精密調査(診断)」の2段階だったものが、「誰でもできるわが家の耐震診断」「一般診断」「精密診断」の3段階に分割されたのである。
ちなみに簡易耐震診断では、地盤・基礎、建物の形、壁の配置、筋交い、壁の割合、老朽度の6項目をそれぞれ評価し、その点数を掛け算して判定する。
総合評点が1.5以上であれば「安全」、1.0以上1.5未満であれば「一応安全」、0.7以上1.0未満であれば「やや危険」、0.7未満であれば「倒壊や大破壊の危険がある」と判定される。
特に1.0未満の場合には、専門家の精密診断を受け、工事について検討する必要がある。
- 【耐震診断】 たいしんしんだん
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既存建物の地震に対する安全性を調査・診断すること。地盤・基礎の状態、建物の構造・形・壁の配置・壁量、筋かいの有無、建物の老朽度などを考慮して診断される。
工事の助成を実施している自治体も見られる。
- 【耐震基準】 たいしんきじゅん
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一定の強さの地震が起きても倒壊または損壊しない住宅が建築されるよう、建築基準法が定めている基準のこと。建築基準法の耐震基準は1981年(昭和56年)に抜本的に改正され、これ以降の基準を「新耐震基準」という。築20年超(マンション等耐火構造は25年超)の住宅を購入する場合、新耐震基準を満たしていれば住宅ローン控除等、税制の特例措置を受けることができる。
- 【耐震改修促進法】 たいしんかいしゅうそくしんほう
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阪神大震災の被害状況を受け、1995年12月より施行されている「耐震改修促進法」では、不特定多数のものが利用する81年以前の旧の建物のうち、特定の用途や一定規模以上のものを「特定建築物」とし、強度の確認と、改修に関して努力義務が規定されています。
- 【耐震等級】 たいしんとうきゅう
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この耐震等級は、数百年に一度発生する地震(東京では震度6強から震度7程度)の地震力に対して倒壊、崩壊せずといった表現で非常にわかりにくい表現ですが、言い換えれば、建築基準法ギリギリの建物の場合は震度6~7程度の地震に対して「倒壊や崩壊はしないが、損傷をうける可能性はある」と読み替えた方が良いかも知れません。
そして、今までのサポートサービスの例からも住宅の浄土(耐力壁の量のみ)の平均値は耐震等級2程度の建物が多いですから、あえて、品確法の性能表示を申請しなくても、等級2や等級3を目指す建物を計画することが強度を高める目安になります。
- 【耐震補強】 たいしんほきょう
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耐震補強とは、建物の強度を向上させ、倒壊を防ぐために、構造躯体の強度を高める工事のこと。